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2018-6-29
ギターやベースの開放弦がビビる!ナットの修理方法

ギターやベースの開放弦をはじいた時、(フレットを押さえず弦だけを弾く) 弦がフレットに触れ ”ビビビ” ”ビリビリ” とビビリ音が出ることはないですか?(バズ音。バズるとも。ちなみに酷い場合にはビビリと同時に音が詰まり、サスティンが強制的に止まってしまうことも)

もしこういった症状に悩まされているならば、その原因は十中ハ九、、 ナット(の溝)が消耗して(削れて深くなったり広がり過ぎていたり)弦の位置(ネック側の弦高)が下がり過ぎている事が大半と言えるでしょう。

試しに、一度ビビる弦を緩め、ナットの溝に紙などを挟み再度チューニングし、改めて弦をはじいてみてください。

これでビビリが止まればほぼ間違いなくナット不良。

ナットの修理が必要とお考えください。

で、もしナットが悪いとなれば、、 一般的に必要とされる処置(修理方法)は ”ナット交換”と言われているのですが、

しかしそれってハッキリ言ってそこそこの大手術。慣れない人は間違いなくリペアマン任せが必要となる工房預りパターン。正直面倒・・(主に金銭的)

また百歩譲ってDIY修理しようと考え、ネットであれこれ情報をかき集めるもいいですが〜 そもそも自分のギターピッタリの溝加工済みのナットが必ずしも手に入るとは限らず、また加工前提に考えていても 加工が上手く行く保証は皆無に近く。。

これもまた正直気が重い。

ちなみによく聞く処置方法として、アロンアルファ等の接着剤を溝に埋めるなどの荒手も御座いますが、(牛骨等ナットの素材を削って粉を混ぜるパターンも)

テンション低めのガットギター、それから細めのスチール弦ならまだしも、テンションが高いベース弦、それからナットへの攻撃性の高い巻き弦にはあまり適用性が良いとは言えず。。(チューニングすると接着剤が取れることも)

これもあまり気が向くものでもないでしょう。(もう本当に応急処理が必要なケースでは除くかもしれませんが。ちなみに接着剤だとリペア中にどんどんと硬化が進みますし、あの独特の粘度が非常に扱い難く、慣れない方だと失敗してしまう可能性もそれなりに。。)

じゃあ結局は、ビビリながらも騙し騙し使うのが最善策?

ちょっと待って下さい。

まだ一つだけ、、 交換せず、接着剤も使わず直す方法が御座います。

コレ。

樹脂(レジン)の充填です。

レジンとは?

最近ではアクセサリー・クラフトのコーティングなどでよく使われているようですが、

元々はFRP製品の補修などに使われていたもので、(サーフボードや自動車のエアロパーツ等の補修でよく見られます)

一旦固まると・・ プラスチック、もしくはそれ以上の強度の得られる物体とも。

ちなみにこのレジンには大きく分けて2種類あり、

一つは二液硬化型のエポキシレジン。(樹脂の主剤に硬化剤を混ぜて使うタイプ)

もう一つは紫外線硬化型のUVレジンと呼ばれるもので、(UVライトや太陽の紫外線に当てると硬化が始まるタイプ)

なお、ここでは言うまでもなく 後者のUVレジンを使用されることを推奨しておきましょう。(2液タイプは量が多くなってしまう上、施工中も硬化が進行するので 慣れないと非常に扱いずらいです)

※ ちなみに私がよく使うのは、ダイソーのクラフトコーナーにあるUVレジン。(ハードタイプ) しっかり硬化し変なべたつきもなく十分使えます。しかも修理に必要な量はかなり微量ですので、内容量が少なく100円(税別)で購入可能という点も重宝している点かと。(ダイソーはお店によって品揃えに差はありますが、レジンは比較的小さなお店でも意外と置いているようですよ)

使い方は?

爪楊枝(つまようじ)の先にほんのりちょっぴり付け、(粘度はそれほど高くないです。液タイプのアロンアルファぐらいの流動性はございます)

削れて深くなったナット回り(溝だけ)を薄くコーティングしてやるような感じでOK

ちなみに、あまりにも深い場合には パテのように盛る方法も御座いますが、

まあ今回はそこまでは割愛ということで。

※ 溶剤が他の部分に付着しないように、予めナット回りにマスキングテープをしておけば尚OK

※ レジン以外に、失敗した場合や余分な部分へ付着した液をふき取るための「除去液」のようなものも御座いますので、まあ余裕あれば同時に買っておいても損はないでしょう。(これもダイソーのクラフトコーナーに並んでおります。但し、除去可能なのは硬化前のレジン液のみで、硬化後は除去することは出来ません)

※ 硬化後、重ね塗りも可能です。

※ 塗布時は、太陽光の届かない室内で作業されてください。太陽に当たると一気に硬化がはじまり 夏場の太陽だと10秒もすれば塊になって液を塗り伸ばすことは全く出来なくなります。要注意!(太陽に直接当たらなくとも、窓際などの明るい場所でも硬化がはじまることが御座います。とにかく強い紫外線が届きそうな場所は全てNGということで)

ナットの溝をコーティングしたら〜

後は太陽の光(直射日光)に当て硬化させましょう。

夏場の太陽光なら10分もすれば完全硬化するようですが、万全を期して夏場でも30分は当てておけばまず問題はないでしょう。(冬場、曇り空だと上手く硬化が進まないことも。夏の晴天時など、強い紫外線が届く時期にやるのが一番ベストかな)

※ 太陽の代わりにUVライト(紫外線ライト)を使っても硬化はしますが、太陽にくらべかなり紫外線は弱いため、ライトの使用はあまり推奨致しません。(余程強い照射が出来るものでないと、けっこう硬化が半端なことが多いかも。ただこれまでダイソーのモノしか使ったことがないので、他製品の場合だと分かりません)

硬化が済めば、後は溝をヤスリがけして慣らしたり調整したりし、

上手く整えられれば完成!

※ 溝のヤスリは専用品も御座いますが、サンドペーパーを角を丸めに折るようにし それで形が整えられれば それでペーパーがけするのでも十分問題ないでしょう。

お疲れ様でした。

上手く直ったかな。。

※ なお、元々のナットの種類によっては、レジンとの相性があまり宜しくないものもあるかもしれません。(廉価なギター等でよく使われているプラスチックナットとの相性は良いようです) 万全でないことは一応予め。。(オイル漬けのナットなどは樹脂の固着が難しいかも・・ やったことがないのであくまで想像ですが。。)

※ なお、ここに上げます修理例は、あくまで手軽なもの前提。また完全なリペアとは異なるものです。万全な修理を求めるなら迷わずナット交換を行ってください。(もちろん手軽でも失敗することも) それからナットと言ってもギターそのものの音質を変えてしまうほど影響の出る部分ですから、処置によって前後音質が大きく変わってしまうような事も。ギターやベースの鳴り等を重視される方も迷わずナット交換をオススメ致します。また処置箇所の見栄えが多少悪くなる可能性もありますので、、

まあとにかく、ここに上げる修理例は練習用など、音が出ればそれでいい! と言った程度のギター等向けのリペア方法とお考えください。また予め十分ご留意のほどを願います。(とは言っても、この方法は実際にリペアマンが行うことも・・)


※ あくまで一つの修理例です。そもそも同じ症状でも現物の状態やモノによっては全く異なる修繕が必要となったり、それから処置を行ったとしても必ずしも改善するとも限りません。とにかく完治や完璧を望まれる場合には(また絶対に失敗したくない場合も)最寄のリペアマンにご相談を。

※ もし記事をご参考にされます場合には、情報や作業等全てにおいて完全自己責任の元ご参考願います。もし失敗して大切なギターが致命的なダメージを負っても当方は一切責任持てません。(自身のケガ等も含む)悪くない部分を加工してしまい、後戻りできなくなっても一切責任持ちません。全ての損害に対し一切の補償も致しません。もちろん必ずしも直る保証も致しません。ご注意ください。